もし、あなたが「もっとコスパよく、もっと頻繁に車中泊したい」と願うなら、その答えは高級なキャンピングカーやSUVではなく、日本の道路を燃費よく健気に走り回る小さな軽自動車、ダイハツ・ミライースの中にあります。
今回は、単なる移動手段を超え、人生の幸福度を最大化するための「ミライース車中泊化」について、私が試行錯誤の末にたどり着いた矢崎化工イレクターパイプによるフルフラット化の設計データとパーツリストを、忖度なく完全無料で全公開します。ちなみに私の身長は177cmですが脚を完全に伸ばして寝れる設計です。
まず、設計の前提として、
✅️ 助手席のヘッドレストを外す
✅️ 助手席を完全に後ろに倒す
✅️ 後部座席を外す
ミライースの車中泊化、なぜ「イレクターパイプ」一択なのか?
ミライースで車中泊をしようとした誰もが、絶望的な壁にぶち当たります。それは「後部座席の段差と、圧倒的な空間の狭さ」です。
ネットを探してもハイゼットカーゴやエブリイ用の車中泊ベッドキットは山のように売られていますが、ミライース専用品なんてどこにも存在しません。となれば自作(DIY)の一択ですが、ここで素材選びを間違えると失敗します。
そこで白羽の矢が立つのがイレクターパイプです。スチールパイプにプラスチックを被覆したこの素材は、以下の論理的特性を持っています。
- 圧倒的な軽さと強度:人が乗ってもビクともしない剛性がありながら、非常に軽量
- 錆びない・腐らない:結露が発生する車中泊環境でもメンテナンスフリー
- ミリ単位の自由度:自分の体型やシートポジションに合わせて構築可能
【完コピ用】ミライース専用イレクターパイプ・パーツリスト

それでは、私が実際に現物合わせで調整を行った寸法データを公開します。
【※最初に、読者の皆様へお願いと本音の共有】
本当は、完成した骨組みを一度すべてバラして1本1本ミリ単位で測り直して記事にしたかったんです。
しかし、私が自分の車用に作ったものはサンアロー専用接着液ですでにガッチリと一体化してしまっており、破壊しない限りバラせない状態でした(それくらいイレクターの強度は凄まじいです)。
そのため、今回は「繋げた状態のまま」でメジャーを当てて採寸しています。
どうしても数ミリの誤差が出ているはずですので、その点はごめんなさい!接着剤で固める前に現物をシートに入れて寸法を確認してください。
また、足の先端には必ず「高さ調整ができるネジ式アジャスター部品」を取り付けて、床の起伏による誤差を吸収できるように工夫しています。
なので、皆さんもアジャスターは必ず導入してください。
まず、私がメジャーで計測した図を公開します。
▼全体像がこれ

▼各パーツを計測しました。







▼計測結果がこれ

■必要なイレクターパイプ一覧(外径φ28mm/矢崎化工製)
長めのパイプ(1200mmなど)を購入し、ご自身のシートポジションに合わせてカットして使用してください。
| 箇所(参考) | 推奨カット寸法 | 必要本数 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 縦の主軸(長) | 97cm | 2本 | 車体の前後に渡すメインフレーム |
| 横の支柱(中) | 47cm | 2本 | 左右を繋ぐ補強・幅 |
| 脚パーツ(A) | 35cm | 1本 | フロント・右側 |
| 脚パーツ(B) | 26cm | 1本 | フロント・左側 |
| 脚パーツ(C) | 27cm | 1本 | リア・右側 |
| 脚パーツ(D) | 30cm | 1本 | リア・左側 |
採寸は3パターンあります。
① 120cm×4本

② 150cm×2本、120cm×1本

③ 200cm×2本、30cm×1本

① 1200mm×4本が狙い目
どーゆー訳か1200mmが他のサイズに比べて安いので、4本まとめ買いが最安です。
② Amazonより楽天!?
Amazonは時期によっては高値の場合があり、そういう場合は楽天がおすすめ。1つのショップで一定の送料を払えば無料になることもあります。また、店によっては送料が安いところも。隈無く探してみよう。
③ 所詮見えない部分に配置!色違いでも安値を選べ
イレクターは規格は同じでも不人気色は人気色に比べて2~3割安い場合もあります。車中泊用のイレクターは外部には見えない部分なので、色違いでも安値を選べばコストは最安にできる!
▼120cm
2. ジョイントパーツとアジャスター
パイプ同士を繋ぐ関節部分と、全体の水平を保つための最重要パーツです。
上記写真の黄と赤で丸囲みしている箇所です。

▼ジョイント:4個
▼アジャスター:4個
純正はこちらだけど、
互換品は純正の半額以下なのでこちらで十分でしょう。
3. 専用工具と接着剤
■ハンドパイプカッター:1個
刃を挟みクルクル回すだけで女性の力でもスパッと綺麗に切断可能。断面にバリが出ないため、ジョイントへのハメ込みがスムーズ※矢崎化工の純正は高額なので、こちらがおすすめです。
■サンアロー接着液(矢崎化工純正)
プラスチックを化学反応で溶かして強固に一体化させる魔法の液体。これは絶対に純正一択。互換品は接着強度が安定せず、走行振動でジョイントが抜けることも。
組み立ての極意:基本は「現物合わせ」
パーツが揃ったら組み立てですが、一気に接着剤を流し込んではいけません。
- まずは接着剤を使わずに、パイプとジョイントを「仮組み」します
- 仮組みしたフレームをミライースの車内に設置します
- 足元のアジャスターを回しながら、全体の水平を確認します
- 完璧なポジションが決まったら、各パーツに油性ペンで「F.R(フロント・ライト)・F.L(フロント・レフト)」などのマーキングを施します
- 最後に車外へ取り出し、マーキングに合わせてサンアロー接着液を流し込んで本固定します
接着後は15分間は動かさず、24時間おいてから使用してください(矢崎化工公式推奨)。
最終工程:天板(コンパネ)製作の2大ノウハウ
土台ができたら、その上に敷く天板(ベッドボード)の製作に移ります。
真ん中から上部と下部とで2枚に分かれています。
▼まずは全体の表面です。

▼全体の裏面です。

▼上部のサイズです。

▼下部のサイズです。

板の材質はなんでもOKです。厚みは1.8~2cmぐらいがベターですね。

変則サイズなので、縦90cm、横60cm、厚さ1.8~2cm前後の板を2枚用意しましょう。
縦85cm、横54cm分を定規を当てて鉛筆などで線を引き、その線に合わせてノコギリでカットしましょう。
ここはイレクターに乗る部分なので多少のズレは問題ありません。
1. 天板は「分割」または「折りたたみ構造」がベター
天板は、一枚板(180cm)を真っ直ぐにカットするのが大変なのと、仕舞う際のスペース上の都合上、私は2枚に分割にしました。
両板の接合は、たまたま余財であったの「厚手の革材」をタッカー(木材用ホッチキス)で打ち付けて可動式のヒンジを自作しました。普通の金具の蝶番でネジ止めしても、折り畳めさえすれば機能的には問題ありません。


1枚板でも大丈夫です。ハッチバックを開けて後ろから入れる感じですね。
2. 車体形状に合わせた「変則カット」のやり方
骨組み(パイプ)は直線で組めますが、天板となる板に関しては、ミライースのタイトな室内形状を極限まで活かすために、車の内装に合わせた3箇所の変則的な形状カットが必要になります。
なぜなら、車内の壁面にはタイヤハウスの膨らみや、センターピラーの出っ張り、ドアパネルのグリップなど、多くの「凹凸」があるからです。
図面の写真は以下のとおり

▼カット①

▼カット②

▼カット③

写真のように、ダッシュボードの傾斜やドアの内張りの絶妙なラインを避けるように、板の縁を大きくカーブさせて切り抜いています。
【変則カットの手順】
- 車内に仮組みしたパイプを置き、大きめの型紙を載せて内装の形を鉛筆で型取る
- 型紙通りにコンパネ(ベニヤ板)に線を引く
- 「糸鋸(いとのこ)」、または電動の「ジグソー」を使い、線の通りにギコギコと切り抜いていく

キッチリやる場合は上記の方法ですが、面倒だったら目安でスライスするようにカットしていっても大丈夫です。要は多少の隙間があってもフラットで快適に寝れればいいわけですからねw
▼ 板の曲線・変則カットに役立つ工具

予算が許せば、電動ジグソーがあると作業が10倍ラクになります
【おまけ①】表面のマットについて
私の天板の写真を見て、「表面に貼ってある薄緑色のゴムマットは何?」と疑問に思った方がいるかもしれません。 これに関しては、たまたま我が家に余っていた端材のゴムシートをなんとなく貼り付けてみただけですので、あってもなくてもどちらでも大丈夫です! そのままベニヤ板のままでも、お好みのカーペット生地やお気に入りのキャンプマットを上に敷くだけで十分に快適な寝心地を確保できます。

キャンプマットがすでにある場合はそれで代用できますが、ない場合は長座布団がおすすめ。敷いておけばいいし、片付けも折りたたんで仕舞えるのが楽です。キャンプマットはエア抜きがしんどい😅
ちなみに私が使っているものは、極厚4.5cmの高反発ウレタンが腰への負担を軽減したリバーシブルクッションです。冬は極厚フリース、夏はひんやり立体ドットと1枚で年中使えます。フリース面は撥水・防汚加工で汚れに強く、カバーは外して丸洗いできるため、車中泊や普段使いもできます。

何種類か似たような商品を使い回してみましたが、今ところこれが一番しっくりきています。
【おまけ②】後部座席のスペースについて

どうしても空間が出来てしまうので、何か穴埋めしなければなりません。私はバッテリケーブルとか、リアシートのヘッドレスト、廃材を適当に置いてます。ガタツキが無くなれば何でもOKです。
フルフラット化したミライースが切り拓く「3つの新しいライフスタイル」
ミライースにイレクターパイプのコックピットを組む。それは、エコカーを経済性と機動性を兼ね備えた「移動する前泊基地」へ変貌させる試みです。
軽バンの約2倍(25〜30km/L)走る超低燃費は、ガソリン代を実質半額にし、初期費用も中古車であれば約80万円浮かせます。 「予算を理由に旅を諦めない」。この圧倒的な経済性と精神的ゆとりがあれば、日本全国の海、川、山が、いつでもあなたのフィールドになります。
| 項目 | 一般的な軽バン(エブリイ等) | ミライース | ミライースのメリット |
| 実燃費 | 約 12 〜 15 km/L | 約 25 〜 30 km/L | ガソリン代が約半額(旅の回数増・食事の充実) |
| 車両本体価格(中古) | 約100万前後 | 約 30万円前後 | 圧倒的な初期投資のゆとり |
| 精神的自由度 | 維持費による制限あり | 制限なし(気楽) | 金欠による「車中泊の断念」がなくなる |
まとめ

いかがだったでしょうか。 今回は、ミライースを完全なフルフラット空間に変えるためのイレクターパイプ寸法データをお届けしました。
パーツリストをチェックして、足りないものがあれば次の週末に向けて揃えてみませんか? 自分の手で秘密基地を作り上げるワクワク感と、圧倒的なコストメリットの車中泊ができる喜びをぜひ味わってみてください。
ミライースという小さくて最高の相棒と共に、まだ見ぬフィールドへ出かけましょう!

